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2022.06.04

山伏セラピストでーす!

オイルセラピーを学び始めた二十数年前。

師匠から人の身体に触れる仕事は自分を守るために神の加護が必要だと言われ、修験道のメッカである奈良県にある大峰山に連れて行かれました。

修験道とは日本古来の山岳宗教で、神道系、仏教系(特に密教系)など色々いいとこ取りした?神仏習合の信仰です。

開祖は役小角(えんのおづぬ)で今から1400年くらい前の人です。

私が聞いたところによると第30代天皇である敏達天皇の息子で、聖徳太子の従兄弟にあたるそうです。

のちに「役行者神変大菩薩」という菩薩になられました。

一般に宗教では教祖がいて教義、経論がありますが、修験道にそれらはなく修験の山により、人により語られることが違うので全体像を捉え、体系的に言語化するのがなかなか難しい。

修験道と呼んで字の如く、自らの体験や経験を修める道なのです。

ですのであくまでも私自身の体験や経験しか語れません。

私が通う修験の山は修験節律根本道場 大峰蛇之倉七尾山という山岳宗教発祥の霊山と言われています。奥之院には「地球霊主摩宇王大霊大権現」という地球という惑星を御守りしてくださる神様がおられます。

根源的というか、なかなか宇宙的な神様かと感じています。

修験道というと男性が山で荒々しい修行をするイメージですが、現代ではさすがに命の危険がある修行はされていないです。

登拝、祈り、護摩炊き(火)、水行(水)、先祖供養を通して自らを浄化し、国家安泰、世界平和を祈念します。

山は元々エネルギーの高い神聖な場所とされてきました。

その山にのぼり、死ぬか生きるかの自然の中で神のエネルギーを感得します。

そして、里へ降りてからはその得た神通力を使い、人を助けるために国を良くするために御働きをするのです。

実はまだ女人禁制が解かれていませんので山上ヶ岳など有名な修験の山へは女性は入れません。

これについて私が聞いたのは、役小角がいた時代も男性優位社会の中で女性は虐げられていたので、山で修行する必要があるのは男性のみで女性はその修行の必要がないからということでした。

もし女性も男性と一緒に山に入ったら女性は男性の食事や身の回りの世話をさせられたことでしょう。

男性は身の回りの世話も全て自分でやってこその修行で、山を降りた時に女性が温かい食事で迎えてくれたら女性の有り難さが身に沁みるからと聞きました。

まだ女人禁制が解かれていない(解く許可を出すのは神様です)のは現代社会においてもまだ男性優位で女性の立場が下にあるということを示しているのだと理解しています。

私は両親が団塊世代にありがちな目に見えるものしか信じないような無信心な家庭で育ちました。

小さい頃よく金縛りにあったくらいで特別な霊感もありません。

でも初めて山に連れて行かれた時に不思議で神聖なエネルギーに何かを感じ惹かれ、また誠の心を捧げて祈る姿の美しさに心を打たれ20年以上通い続けることになりました。

途中何度も祈りとは何なのか、なぜそんなに祈る必要があるのか、祈る時間をもっと建設的なことに使う方がいいのではと、ない脳みそ捻って頭の中で色々に理屈をこねることもありました。

頭で考えてもいまだによく分かりませんが、祈りの力、心の力、霊の力という目に見えないエネルギーは人間の脳では捉えられないくらい大きな力が働くのだと思うようになりました。

笑ったり、泣いたりするのは人間にしかできませんが、祈るという行為も人間にしかできません。

犬や猫はお天道様やご先祖様に感謝の祈りなんてできませんよね。

普段全く信仰心がない人でも自分や家族が絶体絶命の窮地に陥ったら心の中でただひたすらに祈るのではないでしょうか?

私たちはきっと本能的に祈りの効果を知っているんでしょうね。

今は修験道において先達という資格(国に登録され、木簡をいただきます)をいただいて、様々な印の組み方など呪術的なことも学んでいますが、どんどんセラピーにも活かしていきたいと思います。

「印を組むとは宇宙の働き」だそうで、脳が思考できずにフリーズするくらい摩訶不思議ですが、実践あるのみ〜

ということで、まだまだ私自身の道は続いていきますが、折に触れて修験道の面白い体験について綴っていこうと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました!